昨年6月1日に、薬事法が改正された。新聞やテレビなどの報道でも取り上げられ、特集を組んだところもあった。その後の動向を見てみると、改正当時に大騒ぎされたほどではなかったと思うが、いずれにしても、ルールが変わったわけであるので、新しい戦い方が求められている。
薬事法改正とその影響を要約すると、
①危険性が低い医薬品の取り扱い品目が増え異業種(コンビニ、スーパー)参入が加速される。
②第一類の販売は厳しくなる。(ネット販売等)
③登録販売者に資格により、薬剤師の不足が解消される。
つい数年前まで、順調の成長してきたドラッグストアといった業態も、成熟化に加え、今回の薬事法改正による異業種参入で厳しくなるだろう?と予想されている。
ということで、今後のドラッグストアが取るべき手を考えてみたいと思いま~す。o(^-^)o
今まで、ドラッグストアが取ってきた手を整理すると、ポジショニングにより各社特色があるが、
①薬だけでなく、食品や日用品などに商品幅を広げてきた。
⇒利益率が低い食品で来店頻度を高め、利益率が高い薬や化粧品で利益を確保するモデル
(カワチ薬品やコスモス薬品などは、スーパーのような品揃えだ。)
②チェーン展開することで、各取り扱いメーカー及び薬問屋への価格交渉力を持ち、お客様へは安く提供する。(今は、マツキヨ、イオン、富士薬品等が経営統合まで至らないところもグループ化している)
③ドラッグストアによっては、コンサルティングセールスにより、利益率が高い薬を販売する。特に、ナ ショナルブランドでなく、あまり有名でないメーカーの提案を行うことにより、利益を確保できる余地が多い。
④プライベートブランドを作り、さらに、安い価格でお客様に提供して価格訴求する。
では、薬事法改正において、今度、ドラッグストアは、どうしたらいいのだろうか?
個人的な見解で情報収集不足かもしれないが、基本的には、他の業態ではできないところを、事業の中心として考えることが有効があると思う。他の業態ができないところとはどこか?薬や化粧品のコンサルティングやカウンセリングだ。(*゜▽゜ノノ゛☆
こうした場合は、お客様の視点が提供されるサービスを考えてみることが重要だ。
まず、食品スーパーへは、主婦が中心になり、非目的購買が中心である。「今日は、肉を買うぞ!」と食品スーパーへ行く人は少ないだろう。むしろ、行ってみると「今日は、マグロが安いから夕飯は・・」と考える人が85%だと言われている。特に、国土は、せまい日本では大きな冷蔵庫に貯め置きするようなことなしない。
では、ドラッグストアはどうだろう?もともと、女性を中心に、薬や化粧品が他の薬局より安いといった動機で来店している。もちろん、業態が広く認知されるようになってから、私のような男も、年齢層も広く来店されるようになってきた。
そして、私もそうだが、化粧品や薬で、病院に行く時間がないとき、ドラッグストアにいくが、薬の知識があまりない中で、やはり薬剤師のような専門家に相談したいと思うのではないか。とすれば、ここは、今まで難しかった薬剤師確保を徹底的に行い、教育もおこなってコンサルティングやカウンセリング強化を図るのが、顧客視点から見た狙っていく他の業態も含めた中で、狙っていくポジショニングである。
実際、コスモス薬品のように、わざわざ人口が少ないところを狙って出店するといったユニークなお店もあるが、それ以外の方向性としては、コンサルティング、カウンセリング強化であろう。さらに、まだ、数が多くないチェーン店については、徹底的な地元密着のフォーカス戦略を打っていき、大手が進出しても、戦えるようにする。(もちろん、購買では安く仕入れられるように共同購買を模索する)
ドラッグストアは、もともと地域密着性が高いために、M&Aをしてもなかなか店舗フォーマットをはじめとするマネジメントの統一化が図れないのが、吸収した側の悩みであるが、逆手の取るのである。
以上のような手を何故打つか!簡単に言うと、他の業態(スーパーやコンビニなど)では、簡単にマネできないからだ。資格といった障壁もあるし、人によるサービスは簡単にマネできない。
いずれにしても、限られた情報の中で、ドラッグストアの今後の打ち手を予測してみましたが、今後の各業態の動きがどうなるかは、興味深いですね。(=⌒▽⌒=)
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