鬼怒川温泉の某旅館で、次期経営幹部研修をした際の話である。それにしても、オフシーズンなので、やむを得ないを思うが、泊っているのは、先輩と私の二人だけとは、さすがの固定費の高い宿泊業では大変だと感じたものだ。もちろん接客も丁寧で素晴らしい。それなりの部屋数がある温泉旅館で、スタッフも10人以上いるといった中では、どう考えても赤字だと思う。
しかし、結論から言うと、はっきり言ってマーケティングの努力が不足しているのが大きな原因だと思う。以前、泊まった、千葉の旅館では、毎週「高足カニが採れました!是非、お越しください!」といったメールが入る。大阪リッツカールトンでは、当日、ネットを除くと2万円を切る値段で出ていることがある。リッツカールトンで、2万円以下なら泊ってもいいと思う人も多いだろう。こうしたことを可能にしているのは、その日のその部屋は、永久にかえってこないからだ。空いたままにしておくなら安くしても販売してしまった方が得だ。Σ(・ω・ノ)ノ!
今まで、温泉旅館の成功パターンとしては、団体客をエージエンシーを通して誘引するといったことであったが、団体客自体が減っていることに加え、エージェンシーからすれば、どこの温泉旅館に紹介しても一緒だ。特別な資本関係がない限り、関係がいいところや、お客様から評判がいいところ、いい条件を出してくれるところを紹介するのは、ビジネスとして当然だ。
そういった意味で、直接営業、電話でのアウトバンド活動、メールやDMでの案内など、試してみることがたくさんある。しかし、実際は、やっていない。やってダメだったのではなく、やっていないのである。インターネットを通じて、鬼怒川温泉の良さをブログその他でどの位、伝えているのだろうか?
そういった意味で、しっかりとしたマーケティング戦略を作り、実践することでまだまだ可能性があるのである。昔の経営者と最近の経営者とは、少し様相が異なってきた気がする。昔は、感と経験と度胸が一番であると言われた。この考え方については、大いに賛同できる。しかし、一方、経営を科学する面も同時併行で持ち合わさなくてはならない。つまり「経営」といった専門職が経営を行わないと、期待されるパフォーマンスを達成できない時代になっている。
知っていることが、行動の限界、行動の限界が成果の限界であると、昔から言われるが、まさに、まだ、あの手この手をやりつくしていない業界にこそ、大きな機会があると確信する.
雪の鬼怒川渓谷は、本当に情緒がある。この自然の素晴らしさを伝えることは、ネットその他いろいろな手段で安価でできる時代になった。コンサルタントを雇っても十分成果が期待できるのではないかと、いろいろな業界にお伺いするものとして、改めて感じた。おかみさんは、非常に、感じがいい人なので、是非、頑張って欲しいと心から思いました。(=⌒▽⌒=)