昨今、消費者の魚離れが進み、魚の総需要は年々落ち込んでいる。理由としては、食べる際、骨を取りながら食べるのが面倒であるとか、骨や頭にあたるところがゴミになることが言われている。確かに、女性の社会進出などが進み、あまり手間がかかる料理は好まれなくなっているのだろう。そのため、全国の魚市場もその影響を受けていて徐々に業績を落としているところが多い。
しかし、やりようもあるのではないかと思う。例えば、大リーガーのイチローが活躍するシアトルの魚市場では、「世界一有名な魚市場」を達成し「WORLD PEACE」を目指すといったビジョンで、大きなブームになり、全世界からお客様が訪れた。15名の従業員が、自分たちも楽しみ、かつ人を楽しませ、相手に向き合い、態度を選ぶといったFish哲学に基づき、魚のキャッチボールを自分たちがしたり、お客様を参加させたりと、とにかく面白い。
アメリカに行って、日本との比較の中で感じることは、とにかくエンターテーメント性の違いである。ベースボールやアメリカンフットボールを観戦にいっても、大きな大画面でさまざまな観客の光景が映し出され、キャラクターが飛び回り、ジャークの利いた音楽が流れたりととにかく楽しい。日本も格闘技など、エンターテーメント性が導入されてきたと思うが、全体的にはこれからである。
サービス経済、経験経済が進む中、概念だけに終わらせず、もっと楽しみの空間が増えたらと思う。しかし、魚市場で食べる魚は、どこへ行っても新鮮でお値打ちである。
シアトルの市場のFISH哲学を実践した市場になれば、話題性も高くなりお客様の増え、魚を食べたいと思う方も増えるのではないかと思う。市場に限らず、もっと楽しい場が多くなればと思う。
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