多くの病院の経営が厳しくなっているのは、行政との関係も大きい。昨年11月にお伺いした亀田総合病院の亀田信介院長も、その点については、大きな問題意識をお持ちだった。ここまでやるのか?と感じるほど、患者満足の向上に努力する亀田総合病院でさえそうなのだから、多分間違いないのだろう。
そして、亀田総合病院に程でもないにしても多くの病院で、患者満足に取り組んでおり、病院によっては「患者様」などと、急に、言い出してどうしたんだろうと感じる人もいるのではないだろうか。
前田泉氏が実施した患者満足調査の重回帰分析では「医師のわかりやすい説明」や「聴く態度」が満足度との相関が高い結果になっている。
また、多くの病院で、待ち時間の問題が取り上げられる。皮肉っぽく「2時間待って2分診療」言われ、多くの医療機関が、この対策として予約制を導入した。しかし、実際の満足度が高まったといった話をあまり聞かない。むしろ、満足度が低くなったといった声も聞かれる。これは、前田泉氏も本の中で紹介しているが、私自身がお伺いした病院においても、全く同様である。
サービスマネジメントの分野におけるセオリーでいえば、患者さんの期待値との関係で整理できる。予約制により、患者さんは、待ち時間が無くなる。あるいは、短くなるといった期待を持つ。しかし、実際の医療の現場では、予約しても予約時間通りには診察を受けることは難しい。つまり、期待が高まった分だけ、それが実現できないと不満足になる。
表面的な声と、思い付きの問題意識だけで、患者満足に取り組んでも成果は期待できない。患者さんに喜ばれる取り組みとは何かの問い直しが必要である。その中で有効性が高いのが調査結果からも患者満足との相関が高いと出ている医者の患者さんとの親身なコミュニケーションである。
先生業は、昔は尊敬の対象であったが、昨今どうだろう?政治家の先生、医者の先生、学校の先生・・・・先生と言われる人たちの評判がおもわしくない。
(中には、前回のブログで紹介した三条先生のような立派な先生もいらっしゃるが・・)
そういえば。コンサルタントもよく先生と言われる。尊敬されない代名詞のように言われないように、謙虚にガンバロウ。
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