見える化によって確実にサービスと生産性は向上することを実感する。
少し前、本屋に行くと「見える化」についての本が山積みになって並べてあった。数年前に、上場会社で内部統制が義務づけられたことも切っ掛けになっているのだろう。見える化といった言葉は当たり前のように定着化したが、見える化とサービスと生産性の向上について考えてみたい。
私自身は、コールセンターのコンサルティングの仕事も多いが、コールセンターのお手伝いで劇的に生産性が上がったことがある。別に特別なことをやったわけではなく、仕事の見える化をしただけだ。
昨年、お伺いしたコールセンターでは、お客様から受けたオーダーを、工事を行っている他の会社に発注依頼を行うことになる。しかし、発注先が別組織だとなかなかうまくいかない。
お客様から受けたオーダーを工事会社へ連絡すると、
「それは私の課ではない。〇〇課だ!」
そして、その課に連絡すると
「何で、私のところに回ってきたのだろう?もともと、△□の課でやっていることだよ」
更に、△□課へ連絡すると、
「自分のところではないと思います。□◎だと思いますので、そちらにご連絡下さい」
そうこうしている間に、業務の遂行スピードは遅くなる。
そこで、「工事会社の組織も含めて、関わる部署を全部を見える化をしよう」と提案した。
工事会社で、どの部署がどういう役割をしているか?その責任者及び担当者の氏名や直通の電話番号等を、1枚の大きな模造紙サイズの紙に組織図を作成し、オペレーター全員が見えるように壁に何枚も貼った。
すると、以前のような工事会社に発注の際の電話のたらいまわしも無くなり応答時間も短くなった。
以前何かの雑誌で見た内容であるが、「北海道の阿寒 遊久の里」といった大型ホテルで、見える化によりサービスが改善された記事が載っていた。
インターネット検索で宿泊宿を選ぶ旅行客が50%以上と言われる時代に、JTBの評価で90点以上を取っている。その一つの取り組みが、コミュニケーションカメラの設置による互いの仕事の見える化だ。
ホテルの広い館内では、忙しいところとそうでないところがある。コミュニケーションカメラでその状況を把握し、コントロールする部署が全体の部屋を見ていて判断し、
「〇〇宴会会場が、てんやわんやだ!直に△□さんは駆けつけてくれ!」といった指示を出す。
すると、忙しい暇だといったことが中和され、相互に支援し合うことができるために、結果としてお客様満足が向上される。
当初は「監視される見たいで嫌だ」といった従業員の声であったそうだが、途中から「自分の担当が忙しいと他からの支援が入るので、自分のところもコミュニケーションカメラを付けてほしい」といった声に変わったという。
コールセンターも大型ホテルも同様で、お互いの仕事が見えないために、非効率なことも起こっているのは事実だだろう?見える化された仕事や業務プロセスにより、関係者の意見が調整されて仕事の生産性が良くなることは多い。
このコールセンターでは、更に、自分のところの商品をオペレータの近くに置くようにした。電話でお客様が、商品のどこの話をしているかがわかりづらく、応対時間が必要以上に掛かっていたからだ。お客様と同じ商品を目の前に置くことで、お客様が言っていることが直に理解でき応対時間も短縮された。
やっぱり、見える化は、サービスと生産性の向上に役立つと感じた取り組みでした。(≡^∇^≡)