娘の受診をきっかけに、サービスの分類について整理しましたが、分類の考え方についてもう少し考えてみたいと思いま~す。
サービスマジメントの分野では、様々なグル(権威者)がいるが、まだ歴史の浅いこのサービスマネジメント分野で初期に整理したのが、スカンジナビア航空の建て直しのコンサルテーションを担当したリチャード・ノーマンだ。
ノーマンは、サービスを以下のように分類している。
機能的サービス・・・ヒト・モノによる機能・効用である。
例)インターネットサービス、宅配サービス
情緒的サービス・・・態度、行動
例)販売スタッフの対応、接客
本質的サービス・・・個人・組織の精神や価値観、考え方
例)顧客第一 といった組織の理念・方針
犠牲的サービス・・・値引き、おまけ
例)年末特別サービス半額セール
自分自身としては、本質的サービスについては、正直、機能的サービスをはじめとする他のサービスと同列にすることには違和感を覚えるが、サービスの観点から改善を考えるには、様々な切り口からの分類は価値がある。
業種・業態によっても、求められるサービスのウエイトは異なる。
最近、サービスではなくホスピタリティーが重要だ!といった主張も多いが、基本的には、業種・業態、更には、同じ業種・業態であったとしても、サービスコンセプトによっても異なるだろう。
ホスピタリティーの分野の第一人者の服部氏は、ホスピタリティー要素の必要性が高い業種として、Aから順に以下のように分類している。
A.医療・福祉・介護事業、宿泊産業、外食産業、旅行産業、観光・レジャー産業
B.生活関連産業、商業・流通業、金融・保険業
C.情報・通信産業、建築・不動産業
D.保安・管理・修理業、公共事業
E.農林水産業、製造業
ノーマンの分類で言えば、情緒的なサービスや本質的サービスとホスピタリティーとは親和性がある。
要するに、一律ではなく提供する業種・業態、提供するサービスにより、どんなことを重視なければならないかが違うのである。
但し、分類したことによって、その要素だけが必要というわけではない。ジュースでいえば、ミックスジュースで、どの要素が強いかだけである。
タクシーに乗ると、時々、少しイライラすることがある。
大抵、後部座席に座ると、目につくところに「笑顔で接客します!」といったことが書いてある。しかし、道を間違えてなかなか目的地に着かないし、メーターはどんどん上がっていく。タクシーの機能的サービスは、お客様が乗車されたA地点から希望するB地点へ運ぶことである。いくら、対応が良くても、道に迷ってばかりいたらサービス品質は低い。しかし、正確に最短でお客様を運んだかについてのサービス品質は図っているタクシー会社はないのではないか?最近は、ナビで道を間違えることが少なくなったが、ベテランの運転手さんのタクシーに乗ると「この道は、ナビではでないけと、実は近道なんですよ!」と教えてくれる。
分類してみると、改善のヒントがまだまだ見つかる。もっと、もっと、サービスの改善が進み、暮らしやすい社会になるといいね。(=⌒▽⌒=)
リチャードノーマンの「サービスマネジメント」は絶版なので、ちょっと専門的になりますが、服部勝人氏の本を紹介します。
ホスピタリティ・マネジメント学原論―新概念としてのフレームワーク | |
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