度数が合わなくなって見えにくくなったのでメガネを新調したが、カミサンはじめ友人までが、「似合わないよ~」と言われてガックリ。ちょっと出費になるが、別のメガネフレームを買いに、横浜の某百貨店へ出かけた。
日本では、百貨店のことをデパートと呼んでいるが、アメリカの「デパートメントストア」と日本の「百貨店」とは、根本的に違う。アメリカのデパートメントストアは、いくつかの部門(デパートメント)を一つのコンセプトとして、統合している点の業態としての一貫性がある。
アメリカのデパートに入ったことがある方は、気づいた人も多いと思うが、食品を扱っていないし、レストランもない。日本の「百貨」に比べて、せいぜい「五十貨」「三十貨」ともいえる。顧客は、上級所得者層と中級所得者の上層というように、セグメンテーションをし、それらに合わせて、専門的な品揃えとサービスを提供しているからだ。
一方、最近、百貨店に代わって占拠している家電量販店も、家電だけでは広いスペースを埋められないのか?或いは、集積効果をたかめるためか?両方だと思うが、お酒や飲食店他、家電だけでなく幅広く扱うようになると、まさに、同質化競争になる。同質化競争になれば、価格が安い方にお客様は流れるし、何かのトンガリ(特徴)がないと、お客様から選ばれなくなるのは、当然である。
大前研一さんは、百貨店が他の業態に浸食されていくのに、単に合併で大きくなってもあまり意味がないとおっしゃる。この点は、以前から言われている当然の指摘で、アメリカでも日本でも、カテゴリーキラー(ヤマダ電機、ニトリ、トイザラス)や、アウトレットモールに浸食を止めることは現実的には難しい。
では、どうすればいいか?であるが、日本の場合、特定顧客に対する特定サービスの提供といった専門性へのこだわりが足らないのだと思う。日本の百貨店に求められることは、重要顧客に対するホスピタリティーだ。
もちろん、セールを行えば、商品はその時は、売れるだろう・・・・しかし、セールが終わったらどうするのか?
その答は、特定顧客を絞り込んだ上でのホスピタリティーであると思う。ホスピタリティーとは過剰サービスをは違う。
一昔前は、百貨店の包装紙には価値があった。しかし、最近の若い人からすれば、「ダサい」そうである。前にもブログに書いたルミネが若い人からは支持を得ている。ブランドは、しっかりとメンテナンスをしないと、時代とともに「おやじブランド化」していき、色あせてくるのである。一時のリーバイスがそうだったが、百貨店といった業態も同様である。ストアブランドを魅力的なものに維持する努力が必要だ。
そして、いろいろな業態に浸食された今となっては、多少市場規模が小さくなっても、ターゲット層を絞り込む必要がある。ターゲット層を絞ることには勇気が必要だが、他の業態の中でのポジショニングを考えると、絞り込まないとストアコンセプト、ストアブランドがぼけてしまうことになる。
ところで、以前、渋谷に本社にある某メガネ店の取締役と情報交換した際、お金持ちは、一度にメガネを10個~20個買っていかれるそうである。富裕層と言われるが、お金のあるところにはあるものだ!そういう人たちは、過剰サービスをしても喜ばない。ホスピタリティーが大事で、接客サービス、配送、寸法直し、配送など、多大な配慮が必要だ。
横浜の某百貨店のメガネ売場の方々は、とても富裕層とは程遠い私にも本当に親切で、いろいろなアドバイスをしてくれた。私一人スタッフに3人かがりで、たくさんなメガネフレームを持ってきて、メガネのうんちくや、似合う似合わないと、何度も確認してくれた。
という訳で、当初の予算よりも少し高いフレームを買ってしまった。でも、似合わなかったら、また買い直しだから・・といった言い訳を自分にしながら我家へ向かったが、改めて、百貨店のサービスコンセプトの見直し集中化、ホスピタリティー溢れる接客サービスが、今後の方向性ではないかと予想した次第で~す。 (=⌒▽⌒=)
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