WEBサイトを活用した営業強化のお仕事で、実際、私自身が経験したことであるが、お客様との提供するサービスの範囲や基準の設定をしっかりと行い、行き違いを無くすことは結構難しい。サービスの範囲や基準について、しっかりとお客様とアグリーできていないと、あっという間に赤字になってしまう。WEB制作会社の勤める友人は、特に、デザインのことでやり直しが発生すると、利益が出ないどころか赤字になってしまうという。
IT関係の方は、随分前から当たり前になっているが、サービスレベル・アグリーメントについて、整理していみま~す。
サービスの特質として、モノ(製品)と異なり、基準が難しい。そのために、お客様が想定しているもとを、提供側が想定しているものが、異なるとトラブルになる。最初の段階でしっかり確認しておくことが重要だ。
BtoC 企業と一般ユーザーの場合は、あえて、プロモーションの一貫として、サービス保証をするといったことも行われる。交通事故の原因になるといった理由で中止になったが、宅配ピザで「30分以内に届けないと半額にする」といった約束により、お客様の不安を取り除いた。昔、そば屋の出前は、遅れるのが当たり前で、電話で催促すると「今、出ましたよ!」と言われたが、宅配ピザを頼むコアの価値の部分である宅配時間を保証することにより、時間に対する安心感を提供し価値を高めている。
BtoB 企業と企業の間のビジネスでは、ピザのように一律同じとはいかなく、個別性が高いことが多いので、その都度、サービスレベルをお互いに確認する必要があり、サービスレベルのアグリーメント(同意)を取り交わすことになる。
効果としては、
・アフターサービスなど、無料で実施しているサービスを有料化することができる。
・お客様と定期的なコミュニケーションが発生させることで、継続的に関係が強化される。
・お客様からのサービス品質上の情報が集まり、改善課題が発見できる。
・サービス提供の基準を従業員に明確に伝えることができる。
しかし、効果もあるが、注意しないと費用や日数が予測を上回ることになってしまう。どのレベルで手打ちをするかが非常に重要である。
サイト制作において「社員の方の取材は行うが、ライティングは行わない」といったことを書面で出したら「ライティングもやってくれると思っていた・・・」という話になる。又、サイト制作においては、100枚か200枚かで労力は、倍にはならないがかなり違う。しかし、お客様側も、経験がないとわからない面もあるし、一番納期に影響するのは、お客様がなかなかライティングができなくて、ギブアップして途中で全部サイト制作会社の方に、頼まれるケースであるという。しかし、現状としては、サイト制作会社の運営が余りにも差があるので、お客様も混乱されるのはやむを得なといった面も多々あると思う。いずれにしても、確認が重要であるし、先に投げていれば、後でトラブルになりにくい。
しっかり確認した上での「約束は少な目に提供は多目に!」が、サービスの大原則である。
今まで、私自身も何度も「痛い目?」に合ったことがあるので、随分、用心深くなった。基準の設定が難しいこともあって、あいまいのままにしていたサービスも、基準を明確にすることが効果的な場合も多い。例えば、サービス提供側が複数で関わる場合、お客様だけでなく内部でも基準合わせができる等、メリットも多い。しかし、IT業界以外は、実際は、あまり明確にしていないので、検討の余地はあると思う。宅配ピザのように、お客様への価値のメッセージとしても活用できる。
プライベートだと、あいまいにしておいた方がいいこともあるけど、ビジネスでは、しっかり決めておいた方がよさそうだよね。(≡^∇^≡)
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