ラーメン屋の待ち行列を見ると、ついつい並んでしまうけど、又、並んだ方がありがたかったり、おいしく感じたりするけれど、多くの場合は、待ち行列にならない方がいい場合が多い。
今日は、待ち行列理論をご紹介します。
歴史は、古く1909年にアーランが、電話交換の分野で統計的に分析し理論として発表した。
又、第2次世界大戦中にアメリカからイギリスへの物資輸送の際、ニューヨーク港とブルチムア港の2港をつかっていたが、平均処理時間は1日であった。その際、経費削減の際、ニューヨーク港に集中させたら、平均処理時間が2日になってしまった。そのため、やはりもとの2港に戻した。 等の例が有名だ。
一列でサービス処理する場合 (M/M/1):ケンドールの記号
待ちおよびサービス中のお客様の数
L = ρ/(1-ρ) ρ=λ/μ
λ:到着密度 (1/λ: 到着時間間隔平均)
μ:サービス速度 (1/ μ : サービス時間平均)
これだと、数学が得意でない人は、「なんのこっちゃ」になりますので、ちょっと解説を
1番目に訪ねてきたAさんは、 8分 サービスを受けた処理時間
2番目に訪ねてきたBさんは、12分 サービスを受けた処理時間
3番目に訪ねてきたCさんは、10分 サービスを受けた処理時間
4番目に訪ねてきたDさんは、 8分 サービスを受けた処理時間
5番目に訪ねてきたEさんは、12分 サービスを受けた処理時間
平均到着時間隔が10分です。
さて、待ちは平均何人待ちができたでしょう? ⇒答は0
ではありません。
平均到着時間隔というのが、ひっかけで、実際は、バラバラです。10分で来る人も、15分で来る人も
7分も来る人もいろいろいる。
仮に、
1番目のAさんは12分で来た。
2番目のBさんは10分で来た。
3番目のCさんは7分で来た。
4番目のDさんは11分で来た。
5番目のEさんは8分で来た。 で平均到着時間隔 とすると、
必ず、10分間隔で来ることを想定していても、必ず到着時間と処理時間の関係で、待ちが発生する。
5人位では、多少の待ちしか発生しないが、人数が多くなると無限大になってしまうのである。
では、どうすればいいかだが、自分達でできる待ち行列におけるコントロール対象
お客様到着のランダム性
単位時間あたりの平均到着数
サービス処理平均時間
サービス処理時間のバラつき
サービス窓口数
であり、具体的な方法としては、
1.到着に関する変更
a) 顧客の特性に応じてサービスから除外する
b) 約束時間を設ける
c) 閑散時間に誘導する
d) 混雑時間を避ける誘導をする
2.サービス体制に関する変更
a) 平均サービス時間を短縮する
b) サービス時間変動係数(標準偏差/平均時間)を減少させる
c) サービス窓口を増やす
d) 混んでいるとき、サービス時間を減少させる
e) 混雑がひどいとき、臨時の窓口を増やす
f) 窓口を共通に使えるようにする
3.サービス提供に関する変更
a) 重要な顧客に対して優先権を与える
b) サービス時間の短いお客様を優先する
c) 複数窓口であるとき、特定窓口だけに配分される配置、仕組みを排除する
こうしたことは、当たり前のように、サービスを提供しているところは、実践されていることが多いが、統計的に検討するとより、対策が具体的な改善に繋がる。
待ち時間は、ある意味簡単で、ある意味難易度が高いことであるが、統計で考えると、仮説-実践-検証をする上で、役にたつと思うので、窓口やコールセンターなどでは、やってみる価値はあると思います。 (=⌒▽⌒=)
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