外食から内食に切り替わり、食品スーパーが好調である反面、レストランは厳しい。こうした時期には、厳しい反面、業績を伸ばす機会も存在する。(^人^)
少し古い話になるが、日本でもバブル崩壊で大変だった1994年、日本マクドナルドは100円バーガーを出した。210円から、いっきに半分以下の値段で売り出したが、長蛇の列ができて飛ぶように売れたのである。少し遅れて、吉野家も400円の牛丼を280円で売り出した。こちらも、店舗に行くと待っているお客さんでいっぱいだった。
しかし、ただでさえ安いファーストフードで、「値下げしたら、利益が下がってしまうのでは?」と、考えるのが普通である。ところが、日本マクドナルドは、高く売っていたときより、利益が出たのである。
210円のハンバーガー1個のコストの内訳は、原料費が57.5円。それ以外が、人件費、店舗賃借料、広告宣伝費、販促費である。ということは、固定費の部分が大きいということだ。固定費の部分は、たくさん売れれば売れるほど、1個当たりの固定費率は下がり、薄められることになる。つまり、値下げによって販売数量が大幅に増加することが見込めれる場合、この手はありだ。吉野家も、同じように利益がかえって上がった。(もっとも、牛丼自体もともと利益率が高いが・・)
不況期には、景気がいい時に比べて、モノにもよるが、価格弾力性が高くなる。値下げすることにより、たくさん売れる可能性があり、かつ、固定費が高いところは、逆に利益を出しながら、売上を上げる可能性がある。
※210円のコスト構造 出所 日経ビジネス 1994年11月14日号を参考に要約
バブル崩壊の際は、上記のような低価格で、両社とも売上・利益が上がったが、最近は、明暗が分かれてしまった感じがする。
吉野家は、狂牛病により牛丼が提供できなくなった際、品揃えを増やしたことが裏目に出たのか、最近では、すき家、松屋との価格競争に巻き込まれ、厳しくなっている。財務体質からすれば、多少、厳しくても大丈夫であるが、マーケティング戦略に関しては、再構築する必要が生じている。
一方、マクドナルドは、2009年に続き、2010年も快進撃が続いている。100円マックで、子供を呼び寄せるハッピーセット、携帯メールでの販売促進と、マックカフェ、さらに、好調時の閉店と、次々と打たれる手が功を奏している。
個人的には、吉野家の安部社長は大好きで、是非、巻き返してほしいと思う。景気がいい時も悪い時も、いろいろな打ち手がある。本当に、これからは、知恵の出し比べですね。(=⌒▽⌒=)
マクドナルドに学ぶ★「集客→リピート→売上アップ」の法則 | |
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