缶飲料について、詳しい方はご存じのとおり、日本で一番のシェアを持っているのは、コカコーラである。もちろん、純粋なコカコーラブランドだけでなく、冬場の売上の底上げのため、日本初で始めた缶コーヒージョージアその他さまざまなブランドが販売されている合計としてのシェアが一番なのである。o(^-^)o
何故、コカコーラが、シェア1番になったかと言えば、それは自動販売機の数が一番多いのも影響している。自動販売機は、店舗と違って年間365日24時間休まずに働いてくれる働き者である。更に、自動販売機を相手に値引き交渉をする人はいない。スーパーやディスカウントストアであれば、120円といった価格ではなく100円を切る価格で販売されることになる。しっかりとメーカー希望価格で売れる高収益のチャネルだったのである。コカコーラは、自動販売機の数が、勝負の決め手の一つであると理解していたから、自動販売機の設置をいち早く進め力を入れてきたのである。
しかし、ちょっと様相が変わってきている。ひとつには、コンビニエンスの台頭である。最近のニュースであるように、百貨店各社の売上合計を越えて、まさに生活の一部となっている。そして、セブンイレブンが、24時間営業にテストマーケティングを経て踏み切ってから、一部を除き大半のコンビニが24時間営業になっている。コンビニエンス店舗の多さは、コンビニの隣がコンビニといった状況であり、少し歩けばコンビニを利用できる。であれば、自販機をよりも飲料缶の選択肢も多く、他の楽しみもあるコンビニを利用することになる。
環境問題から、自動販売機への規制もかかることも検討されていると言われている。そして、今まで、設置してきた自動販売機を撤去となると、業界の構図も変わるかもしれない。
連合缶も増えてきた。自動販売機の中で複数のメーカーのドリンクが入っているのを見るが、1メーカーで構成するよりも複数の方が、お客様にとっても選択肢が多いだけでなく、UCCのように、既に独自で自動販売機を設置するのをやめてしまったメーカーについても重要なチャネルの一つだ。
そうした中で、自動販売機=120円 の定価販売といった仮説も崩れてきている。時々、自動販売機に手書きで100円といった張り紙がしてあったりするのを見掛けた方も多いと思う。たくさん設置したが、中には、予定の販売数が自動販売機から得られないために、やむを得ずオーナーの方でやっているのだろう。
以上のように、自動販売機にとっては逆風が多いようだが、自販機メーカーも負けていない。1缶使うともう1缶当たるといったものや、お年寄り向けに取り易い形状に変えるなど、新しい自販機更新に必死である。又、自動販売機は、従来、外に設置することが多かったが、10年以上前から、会社内の休憩所をターゲットとして、ビル内設置も多くなっている。コカコーラだけでなく、サントリー、ポッカ、伊藤園、JTその他、多くの飲料メーカーがあるが、まさに、設置場所の管理者に対する激しい提案合戦になっている。
そこで、ふと思ったことであるが、タバコを吸う方の喫煙所でのコミュニティーである。先日、某IT会社で研修をしていたら、必ず休憩時間になると、タバコを吸う方同士が喫煙所へ行き、お互いの職場の情報交換をしている。普段、パソコンに向かっての仕事であるので他の人と、話しをするのはプロジェクト会議以外限られている。そうした中、喫煙所での何気ない会話が、気分転換にもなるのだろう。
自販機本体の機能のとしての改善も当然重要であるが、社内の休憩場所の社員間でコミュニケーションための仕掛けも考えたらどうかと思う。これは、社内に限らず、外においても同じだ。自動販売機を単にたくさん並んでいるだけの光景をよく目にする。
①最新のニュースが流れる ②星占い ③誕生日の方に1本プレゼントがされる ・・アイデアレベルであるが、利用する方のコミュニケーションを促進するための方策はたくさんあると思う。ハードの価値提供だけでは、限界がある。ソフトの価値提供を考えると拡がりがあると思う。(=⌒▽⌒=)
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