数日前に、TPP (環太平洋経済連携協定)について書いたが、もう少し、平たく日本の農業の現状について整理してみたいと思います。
日本の場合、昔からの先祖代々の土地といった意識がまだ残っている。そのため、狭い土地でそれぞれの農業生産者が自分の土地を耕しているのが現状だ。そのため農業の効率化が難しくなっている。この点については、細かいことは省略するが、税制も影響している。
その狭い土地に、農協が年に何回も使わない農機具(トラクター他)を売り付ける。当然、金額がはるのでキャッシュでは買えない。そうした場合、信連がお金を貸す。といったように農協づけになっている。そんな状況の中で、生産性が上がるわけがない。そして、生産性が悪いので、弱い農家を助けようとする。補助金だ!専業農家が激減する中、自民党の政策として、兼業農家を増やしてきた。そして、兼業農家は、実は、月曜から金曜日まで勤めてもらう給料、土日の農作業で得る収入。プラス補助金だ。つまり、トリプルインカムなのである。
民主党になり、変わるのではないかといった期待もあったが、結局、戸別所得補償制度を打ちだし本質は何も変わらなかった。戸別所得補償制度では、専業も兼業も同じように補償されるのも、自民党が行ってきた政策と同様に疑問である。
土日にだけ農作業をするとなると、田んぼや畑の手入れが大変である。虫がついたら農協は買ってくれない。そのため、農薬を使う。その農薬を農家に提供しているのは、農協の経済連である。現在、日本の農業での農薬使用量はアメリカの8倍とも言われている。ヨーロッパは更に厳しい基準がある。
また、弱い農家を助けなければならないという大義で補助金を出す。そのカラクリは、農家も政治家にとって大切な選挙の票田ではないかといったうがった見方をしたくなるような構図である。農水省についても、自給率が低く日本が大変だ!といっているが、国際基準と違う物差しをあえて使っているのは、数日前にブログで書いた通りである。「アメリカの自給率に比べて日本は・・」というが、日本が勝手に設定した自給率の算定式である。
多くの国民がこうした現状を、どの位、知らされているであろうか?たまたま、私自身は、農業について有識者の取材も含め、研究しているから知り得ただけである。
国の借金が天文学的な数字になろうとしている時に、選挙の票を集めることを優先する政治家は絶対に信用してはいけない。また、国民をバカにしてはいけない。私達国民ももっと、怒らなくてはならないと思う。直接のブログのテーマの記事からはかなり脱線してしまったが、TPPが話題になり、機会あるごとに発信していくことが重要だと思い、あえて、日本の農業の現状について問題提起をした次第である。
但し、農協の職員が悪いわけではない。問題意識を持って変革しようとしている職員も多くいる。しかし、組織が大きくなると、なかなかシガラミも多くなり、変革が難しい。
TPP(環太平洋経済連携協定)で注目が集まっている今、問題意識を持って、改革を進めないと日本の農業の将来はないと思います。
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