モノ、サービス、事業 その他全てのものには、S字カーブがあると言われている。S字カーブを簡単に説明すると、モノでもサービスでも事業でも、資源を投入しても最初はなかなか成果には繋がらない。ここは、“忍の一字”しかし、やがて努力が報われ、成果に繋がり成長する。そして、成長したとしてもいつまでも続かない。やがて、努力をしても成果に繋がらない時期が必ず来る。そして、遂には、寿命を終えることになる。(´・ω・`)
自動車業界は、随分前に、国内における現業に強化では成果が出なくなってきている。さらに、世界レベルで言えば、今まで自動車と作ってこなかった企業まで参入したら、苦しくなるのは目に見えている。であれば、当然、次の柱を用意しなければならないし、実際に取り組んできている。(´□`。)
業種・業態を問わず、2つのゲームを同時に行わなければならない、企業活動だ。同じ事業の延長線であれば、ハイブリット車は、とうに手がけていないと出遅れるのは誰の目にも明らかである。しかし、簡単にはいかない。貧すれば鈍するで、既存の事業が好調なうちに手を打っていかないと、悪循環になる。
例えば、日本でもカルロス・ゴーンが日産自動車を立て直したと言われる2000年頃の財務諸表を見てみると、明らかに厳しい。ただし、救いなのは、当時、多くの資産があったことだ。カルロス・ゴーンでなくても、当時の財務諸表を見れば、資産を売却して有利子負債を返すといった打ち手をとらなければ持たない状況であることはわかる。しかし、有利子負債に資産の売却を当てるということになれば、当然、新しいことに回せる人・モノ・カネが十分でなくなることは容易に理解できる。その付けが今に回っている。ハイブリットでトヨタやホンダに、出遅れるには原因であり、そのため、日産は、ハイブリットを飛ばして電気自動車に出たのだろう。しかし、昨年は、国内では芳しくなかったものの海外では、業績を伸ばして回復させた。
国内生産が落ち込む中、自動車業界の新しいゲームとは、①グローバル市場での戦い ②電気自動車への移行であり、国内の落ち込みを最小限にするといった既存のゲームに加え、3つのゲームを同時進行でやらなければならない。予想通り、国内の販売は、シェアNO1のトヨタでさえ、グロスとしては落ち込んでいる。しかし、世界レベルでもたら、3年連続、GMを上回る世界一の販売台数である。当然、ハイブリッドの次のくる電気自動車も視野に入れているだろう。
自動車業界と同じような状況にあるのが、百貨店やGMSである。今の業態の延長線上でいくら努力しても、成果に繋がりにくくなっているのは、財務諸表を推移を見れば容易に理解できる。いいうちに次のゲームを立ち上げなければならなかった。しかし、言うのは簡単だが、なかなか、既存のゲームを展開しながら、新しいゲームを展開することは、実際は難しい。既存のゲームとは異なるマネジメントが必要になるし、社内のパワーのシフトにも繋がる場合もあり抵抗も起きるからだ。
自動車会社も、何故か?①グローバル展開 ②技術革新以外の分野においては、次の柱をつくるのはうまくない。トヨタホームなどもトヨタの資本力その他からすれば、もっとうまくいっても良さそうである。他の自動車会社も展開している多くの事業は、自動車周辺事業であり、自動車が厳しくなったら同じくダメになる運命にある。(_ _。)
昔、松下幸之助さんが「“雨が降ったら傘をさす”といった今に対応するマネジメントと、“秋が深まったら、そろそろ冬支度をする”といった将来へ向けたマネジメントと、両方やらなあきまへんわ・・」とおっしゃっていたシンプルだが大切な教えを思い出しました。(=⌒▽⌒=)
![]() |
ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション ジェフリー・ムーア 栗原 潔 翔泳社 2006-05-16 売り上げランキング : 5256 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
コメント